カルロス・クライバー リハーサルと本番 魔弾の射手、こうもりを創り上げる若き奇才の姿:感想

今日は、カルロス・クライバーのDVDを紹介します。

クライバーと言えば、流麗な指揮で、変幻自在にオーケストラを操ったスーパースターです。

ですが、演奏する側からすると、これほど難しい指揮はないでしょう。
私はアマチュアオーケストラでチューバと言う楽器を吹いています。
そのつたない経験で観ても、「阿吽の呼吸」でタメが作られたり、テンポの緩急が激しかったり、本当に厳しい指揮です。

このDVDは、そんなカルロス・クライバーのリハーサルと本番が見られる、貴重な作品です。

曲目などのデータは以下の通りです。

■曲目:ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲 ・J.シュトラウス2世:歌劇「こうもり」序曲
■演奏: シュトゥットガルト放送交響楽団

このDVDは、リハーサルがとにかく興味深いです。

本番では、かなり自由な指揮ぶりなので、練習では、細かいことを言うイメージはありません(笑)。

ですが、リハーサルではかなり詳細な部分まで詰め切った練習をしています。
細かいところでいうと、たとえばヴァイオリンが演奏前に構えるタイミングまで言っています。
マチュアではよくあることなのですが、プロのオーケストラ(しかも一流)では、あまり言われることはないでしょう。

ちなみに、我々が現場でクライバーのような指揮に出会うことはありません。
なぜならば、あの指揮は彼しかできない指揮であり、演奏する側にも高い技術力が必要だからです。

それに、あれは「カルロス・クライバー」の音楽なので、他の人がやったら単なる真似になってしまいます。
芸術家としてすごく恥ずかしいことになってしまいます。

特に、「こうもり」序曲などは、「クライバーの音楽」と言ったら言い過ぎですが、本当に新しい世界を見せてくれました。

それだけオリジナルの音楽を作り上げたカルロス・クライバーという人は、すごい人だなあ…と思いいます。

このDVDで、ぜひ「クライバーサウンド」をお楽しみください。