理論から入るか、とりあえずやってみるか

Katana
Katana / AdamSelwood

時々は、ライフハック的なことも書いてみます。

物事に取り組むときに、まずは理論から入りますか?それとも、まずは実践あるのみ!という方でしょうか。

この話題に関して、すごく昔の方が明確に答えていますので、その文章をご紹介したいと思います。

江戸時代の剣術の流派「北辰一刀流」の創始者である、千葉 周作と言う方がこのようなことを言っています。

上達の場に至るに二道あり、
理(ことわり)より入るものあり、業(わざ)より入るものあり、
いずれより入るもよしといえども、
理より入るものは上達早く、業より入るものは、上達遅し、

何となれば、理より入るものは、例えば向こう斯様(かよう)するときは斯く(かく)せん、
斯くせんときには斯様せん、斯く成りたるときには如何せんと、
その理を様々に考え、工夫をこらして稽古するをいう。

業より入るものは、左様の考えもなく、必死に骨折り、散々に打たれ突かれして後、
妙所を覚えること故、上達の場に至るには大いに遅速あり、
故に理を味わい考えては稽古をなし、稽古をなしては理を考え、必死に修行すべし。

理業は車の両輪のごとし、故に理業兼備の修行、日夜怠慢なければ、十年の修行は、
五年にて終わり、上手名人の場に至るべし。

※読みやすいように改行を入れました。

この文章は、剣術を学ぶにあたっての心構えが書いてありますが、非常に示唆に富んでおり、現在の私たちにも通用するような名文だと思っています。

理論か実践か?

最初は理論か実践か?というのは、取り組む対象にもよると思います。

例えば、私の仕事であるWebマーケティング、特にリスティング広告アクセス解析は、媒体の仕様や数値の意味をしらないと仕事ができないと思います。
ですので、まずは、きちんと理論と言うか、仕様や根拠を知っておくべきだと思います。

音楽の場合は、どうなんでしょうか。
まずは実践あるのみなのかな…でも、理屈や背景を知っているとより深く音楽ができることは間違いないですよね。
たとえば楽典とか(すみません、私は正直勉強不足です…)、作曲家の生い立ちなど…

このように、対象によって配分が違うのかもしれません。

理論と実践のバランスが絶妙なのは…

ちなみに、私の周りの方で、この理論と実践のバランス配分が非常に良いな…と感心するの方々がいます。

それは、東大卒のみなさんです。(なぜか、私の周りには多いのです。)

前職で、私のすぐ近くに東大卒の後輩がいて気づいたのですが、彼女は、新しい物事に出会ったとき、すごくよく勉強します。
ただし、いまひとつピンとこなかったときは、それ以上考えず保留にします(もちろん、仕事に影響のない範囲で)。
そして、前に進むのです。

自分も最近気づいたのですが(遅すぎますね(笑))、いくら考えてもわからないものは分からないんですよね。
それはいったん横において、次の仕事に取りかかったほうが、最終的な結果は明らかに良いわけです。
先に進んでいると、後追いでわからなかったことがわかってきたりしますしね。

東大に入れる人たちというのは、この作業を徹底的にやっているのでしょう。
後輩ながら感心したのを覚えています。

私も、理論と実践のバランスを考えて仕事をしていきたいです。


千葉周作遺稿 (武道名著復刻シリーズ (14))

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